トラック野郎 / 望郷一番星
2020年7月4日 ブログ
#鈴木則文監督
#菅原文太と愛川欽也
#ロードムービー
#不良性感度
#アンチ・男はつらいよ
夏本番はこれからなのに、コロナ禍でステイ・ホームの日々が続き、地元の花火大会やロックフェス、夏祭りは相次いで中止。
なんだか寂しい夏を迎えて、季節感が掴めない毎日ですね。
そして、大事をとって、今年の帰省は諦めました。
室生犀星の詩歌
「ふるさとは遠きにありて思ふもの、悲しくうたふもの…」
が深く刺さります。
故郷を離れ、都会で一人生きる覚悟について、想いがが深まります。
本日は、そんな帰省への郷愁をカラッとさせる映画「トラック野郎 望郷一番星(シリーズ第三作)」をご案内します。
主人公の「一番星」こと星桃次郎(菅原文太)は、幼くして故郷を奪われた天涯孤独の天才トラックドライバー。
喧嘩っ早いが、仲間からの人望は厚い。
どんなに厳しい輸送条件でも、失敗しないで、時間通りに積荷を届ける。
一番星の相棒である「やもめのジョナサン」こと松下金造(愛川欽也)も同じく、長距離ドライバーで、愛妻家で子煩悩なムードメーカー。
桃次郎とは付かず離れずの関係で、いざ事件が起きると彼をサポートする。
ホームズとワトソンみたいな関係。
ここまで書けば、「海猿」みたいな胸熱のバディー・ムービーと思いきや全く違います。
何せ、脚本・監督は東映の「不良性感度シリーズ」で無節操なエロ・グロを撮り続けてきた鈴木則文先生です。
男の拳、女の裸、酒と乱痴気、警察のサイレン、レバニラ炒めと排泄物、猥褻と喧騒が銀幕を飛び交う。
義理と我慢で膨れた男のマグマを一気にぶっ放す。
男たちは、劇場を出て噴火のエクスタシーの余韻に浸る。
それが、鈴木監督の本流だと思います。
さて、仕切り直して、ネタバレを極力避けながら、本作のあらすじをご案内します。
舞台は、 1970年代の川崎。やもめのジョナサン(愛川欽也:キンキン)の一家は、五男四女の 11人家族で八畳一間のアパートに暮らす。さすがに狭い。
母ちゃんこと春川ますみに郊外の戸建をせがまれる。
そんな折に、仕事依頼の電話が鳴る。
一儲けできそうな航海の話(航海:長距離トラック輸送の業界用語らしい)。
東京―釧路間の長距離輸送はタフだが、ジョナサンは昼夜働き、マイフォーム貯金に邁進する。
しかし、北海道の縄張りを走るには筋を通さなければならない顔役がいる。
“カムチャッカ”こと大熊田太郎次郎左衛門(梅宮辰夫)に頭を下げなければならない。
しかし、ブレない男こと、我らの一番星(菅原文太)はカムチャッカに喧嘩を売る。
この二人の男のタイマン勝負は、ワンカット長回しで壮絶なんだけど、これって「仁義なき戦い」に対するアンサーなのだろうか。
広島の呉の抗争で義兄弟の若杉(辰夫)を助けることができなかった広能(文太)に対する憎悪を釧路でやり返すみたいな。
そして、文太とキンキンに長距離輸送のデカイ仕事が舞い込む。
たったの6時間で釧路から札幌まで鮮魚10トンを届けなければならない。
スピード違反、積載オーバーでパトカーを吹っ切り、高速道路も整備されていない荒れた山道を行く。
タイヤはバースト寸前。
次第に文太と辰夫とキンキンの距離が近づく(うん、 B .L?)。
ミッション・インポッシブルのこの任務は成功するのか?
続きは、本作を是非ご覧ください(後悔させません)。
本シリーズは、 1975年から 79年まで 10作品が東映で封切られ、夏休みと新春の年二回の上映、つまり松竹の「男はつらいよ」のカウンターパートとして、正統派喜劇に対して不良的感度の高い喜劇として、魁 !!男塾的な昭和の漢たちを魅了してきた。
ちなみに、本作の「やもめのジョナサン」は元警察官で多くのトラック野郎を取り締まってきたが、それを隠しているという設定。そして、警察の捜査手法を知り尽くしていることから、それを逆手に警察に罠を仕掛けて仲間を助ける。
そして、「マッド・マックス」の Maxも元警察官の設定。
もしかしてだけど、それってジョージ・ミラー監督は「トラック野郎」を意識してんじゃないの? 同じ、ロード・ムービーだし。
映画の中で、一番星こと桃次郎は、いつもサッポロビールの赤星、大ビンを美味そうに飲んでいる。
ビールのあてはレバニラ炒め。
今夜は脂っこい中華をキンキンに冷えた赤星で流し込みたい。
おやすみなさい。
なんだか寂しい夏を迎えて、季節感が掴めない毎日ですね。
そして、大事をとって、今年の帰省は諦めました。
室生犀星の詩歌
「ふるさとは遠きにありて思ふもの、悲しくうたふもの…」
が深く刺さります。
故郷を離れ、都会で一人生きる覚悟について、想いがが深まります。
本日は、そんな帰省への郷愁をカラッとさせる映画「トラック野郎 望郷一番星(シリーズ第三作)」をご案内します。

主人公の「一番星」こと星桃次郎(菅原文太)は、幼くして故郷を奪われた天涯孤独の天才トラックドライバー。
喧嘩っ早いが、仲間からの人望は厚い。
どんなに厳しい輸送条件でも、失敗しないで、時間通りに積荷を届ける。
一番星の相棒である「やもめのジョナサン」こと松下金造(愛川欽也)も同じく、長距離ドライバーで、愛妻家で子煩悩なムードメーカー。
桃次郎とは付かず離れずの関係で、いざ事件が起きると彼をサポートする。
ホームズとワトソンみたいな関係。
ここまで書けば、「海猿」みたいな胸熱のバディー・ムービーと思いきや全く違います。
何せ、脚本・監督は東映の「不良性感度シリーズ」で無節操なエロ・グロを撮り続けてきた鈴木則文先生です。
男の拳、女の裸、酒と乱痴気、警察のサイレン、レバニラ炒めと排泄物、猥褻と喧騒が銀幕を飛び交う。
義理と我慢で膨れた男のマグマを一気にぶっ放す。
男たちは、劇場を出て噴火のエクスタシーの余韻に浸る。
それが、鈴木監督の本流だと思います。
さて、仕切り直して、ネタバレを極力避けながら、本作のあらすじをご案内します。
舞台は、 1970年代の川崎。やもめのジョナサン(愛川欽也:キンキン)の一家は、五男四女の 11人家族で八畳一間のアパートに暮らす。さすがに狭い。
母ちゃんこと春川ますみに郊外の戸建をせがまれる。
そんな折に、仕事依頼の電話が鳴る。
一儲けできそうな航海の話(航海:長距離トラック輸送の業界用語らしい)。
東京―釧路間の長距離輸送はタフだが、ジョナサンは昼夜働き、マイフォーム貯金に邁進する。

しかし、北海道の縄張りを走るには筋を通さなければならない顔役がいる。
“カムチャッカ”こと大熊田太郎次郎左衛門(梅宮辰夫)に頭を下げなければならない。
しかし、ブレない男こと、我らの一番星(菅原文太)はカムチャッカに喧嘩を売る。

この二人の男のタイマン勝負は、ワンカット長回しで壮絶なんだけど、これって「仁義なき戦い」に対するアンサーなのだろうか。
広島の呉の抗争で義兄弟の若杉(辰夫)を助けることができなかった広能(文太)に対する憎悪を釧路でやり返すみたいな。
そして、文太とキンキンに長距離輸送のデカイ仕事が舞い込む。
たったの6時間で釧路から札幌まで鮮魚10トンを届けなければならない。
スピード違反、積載オーバーでパトカーを吹っ切り、高速道路も整備されていない荒れた山道を行く。
タイヤはバースト寸前。

次第に文太と辰夫とキンキンの距離が近づく(うん、 B .L?)。
ミッション・インポッシブルのこの任務は成功するのか?
続きは、本作を是非ご覧ください(後悔させません)。
本シリーズは、 1975年から 79年まで 10作品が東映で封切られ、夏休みと新春の年二回の上映、つまり松竹の「男はつらいよ」のカウンターパートとして、正統派喜劇に対して不良的感度の高い喜劇として、魁 !!男塾的な昭和の漢たちを魅了してきた。

ちなみに、本作の「やもめのジョナサン」は元警察官で多くのトラック野郎を取り締まってきたが、それを隠しているという設定。そして、警察の捜査手法を知り尽くしていることから、それを逆手に警察に罠を仕掛けて仲間を助ける。
そして、「マッド・マックス」の Maxも元警察官の設定。
もしかしてだけど、それってジョージ・ミラー監督は「トラック野郎」を意識してんじゃないの? 同じ、ロード・ムービーだし。
映画の中で、一番星こと桃次郎は、いつもサッポロビールの赤星、大ビンを美味そうに飲んでいる。
ビールのあてはレバニラ炒め。
今夜は脂っこい中華をキンキンに冷えた赤星で流し込みたい。
おやすみなさい。