- 11月24日
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更新日:11月25日
ダニー・ボイル監督の2019年作品、「YESTERDAY」をDVD鑑賞した。僕ら世代にとって、ボイル監督とアンダーワールドの楽曲は特別な存在です。僕自身も、1996年の「Trainspotting」は、ほぼ全てのシーンを暗記していると思う。
マンチェスター出身の監督が、その隣町リバープールの世界的英雄、ワーキングクラスのヒーローアイコン『ジョン・レノン』がちらっと出演する映画を撮った。
あらすじはこんな感じ。
ある日、サホーク州の田舎町で売れないストリート・ミュージシャンの男が交通事故に遭う。意識を失って病院に担ぎ込まれる。彼が目覚めると、そこはなぜか歴史上からビートルズの存在が完全に消えた世界になっていた。
しかし、彼一人だけがビートルズの記憶が消えずに、楽曲コードを憶えている。弾き語りで「イエスタデイ」を披露すると、幼なじみの友人やストリートの観衆が初めて聴く美しいメロディに大感動する。
いわゆる、パラレルワールド映画です。観客の僕たちだけがこの後のストーリ展開、未来の出来事を知っているが、演じているキャストは何も知らない。迫る危機感が物語をドライブする。ドリフ「8時だよ全員集合」の“志村!後ろ‼︎ 後ろ‼︎ ”の状態だ。
主人公の男が”ビートルズを知らない観衆”の前で、レノン=マッカトニーの『 I Want to hold your hand (抱きしめたい/1964年)』を歌う。熱狂の渦が波立つ。
<引用>
“And when I touch you I feel happy inside.
It’s such a feeling my love.
I can’t hide.
I can’t hide
I can’t hide.” →隠しきれないんだよ!
異世界では合法かも知れないが、彼の”盗作”の楽曲が大衆の心を打つ。
主人公にとって『I can’t hide:隠しきれないんだよ!』の叫びは、カソリック教会のconfession-roomでの告解さながらに映る。
映画の結末はどうなるのか、是非、本作をご覧ください。
それと、エド・シーランは重要な役柄で出演していて、好きになる。
主人公役のヒメーシュ・パテルは、南アジアルーツの新人俳優。イギリスの老舗ソープオペラ「イースト・エンダーズ」で長いキャリアがある。ハニカミながらの甘い歌声とアコースティックギターの生演奏はリアルでした。
映画が終わって、ジョンレノンの存在が偉大すぎて、彼の『When I‘m Sixty-Four』 を聴いた。
初老の僕には骨身に沁みる。
“僕が64歳になっても面倒を見てくれるかい?”
“呑んだくれて、午前様で帰っても締めださないでおくれよ”
“用無しだなんて、つれないことは言わないでおくれよ”
拝啓、ジョンレノン様。
生きておられれば85歳。SNSでどんな投稿してくれますか?
やっぱり、ダジャレで大喜利をして欲しいです。
